
築123年の古き良き趣を残した古民家再生
築123年の古民家を古き良き空間を残しながら、暮らしやすい最新の設備を組み合わせてリフォームしました。
元々、奥様の曾祖父が建てられた古民家。
セカンドライフにと考えられていたご実家をこれまで大切にお手入れをされてきました。
しかしトイレの床が抜け、リビングの床もふわふわと浮く感じがあり、今後も住み続けていく為にこの度リフォームをご決断されました。
古き良き雰囲気を残し、また古材を生かしたリフォームをご希望されておりました。
天井は古民家ならではの立派な梁を出し、空間を広く見せました。柱・梁・床などの木部は柿渋塗装で自然な風合いと防腐防虫効果も期待できます。今だけでなく、数年後も心地よく過ごせるように施工しました。
ゆったりと優しい時間が流れる、そんな住まいを目指しました。
玄関土間
畑仕事から帰ってきて、靴のままくつろげるスペースが欲しいとご要望がありました。
昔ながらの広々と開放的な土間を作り、座って水の音を聴きながら落ち着ける空間を実現しました。お手持ちの手水鉢を玄関に設置し、お客様をおもてなし。
また、玄関の壁はすべて、土壁に磨きをかけた『大津仕舞(おおつしまい)』と呼ばれる仕上げに。
土間
玄関の土間は昔ながらの方法『三和土(たたき)』を手作業で仕上げました。三和土の道具も毎回職人の手作りです。職人のこだわりと丁寧な仕上げが目に見えて分かります。
LDK
大きな段差と仕切りにより部屋を分断してしまっており、部屋それぞれが狭い印象でした。
天井の隠れていた梁を見せ、仕切りを取ることで広く開放的な1室に。キッチンをリビングより1段低くし、落ち着いた雰囲気を演出しました。
キッチンは古材を生かしながら空間になじむ色・質感・古材に引けを取らない高級感のあるトクラス「berry」を採用しました。Ⅱ型のアイランドキッチンを設置し、家族が集まるダイニングキッチンを目指しました。
照明
リビングの照明は、元々使われていた障子戸を天井から吊り、間接照明として蘇らせました。
優しい光がリビング全体を照らします。
落書き
壁を解体していた際に、奥様が小さい頃に土壁に描いた落書きを発見。
懐かしい思い出をこれからも残せるよう、特別な技法で落書き部分だけを切り取り、皆の目が届くリビングの壁に設置しました。
お風呂
お風呂は人造大理石浴槽が自慢のトクラス「ユーノ」を採用。
浴槽で体を預けたときの肌触りの良い心地よさは人造大理石の特徴です。
断熱性能のある浴室で寒い冬でもゆったりくつろぐことが出来ます。
また、手すりを取付け、段差をなくすことによりバリアフリーに。
ご高齢でも安心して過ごせるようになりました。
洗面
洗面台はダイニングに面した位置に設置。
隣には上着や荷物などを片付けられるスペースを配置し、外出時・帰宅時に身支度がしやすい空間を作りました。洗面台のレトロなタイルはご主人様のご実家の古民家を解体した際に出てきたものを再利用しました。最新の設備と古民家の雰囲気にうまく溶け込んでいます。
外観
新しい木製の引き戸に合わせ、玄関周りを一新しました。
新しくした木材の部分には杉材を使用。外壁の一部に施された漆喰も左官により丁寧に仕上げました。古材と新しい木材が上手く調和し温かい和の風情を演出しています。