空き家 を コストを抑えて ZEH住宅へ改修
増え続ける「空き家」。そんな中 建物へ求められる住宅性能の高性能化、物価上昇に伴う建築費高騰。コストを抑えて新築同等の性能値を持った建物を実現させ、新規住宅取得者層の生活負担を少しでも軽くできればという想いと、既存建物(空き家等)の活用という面から提案させて頂いた改修工事です。こちらの高齢者一人暮らしだった「空き家」を高性能な子育て世帯用の間取りの建物へと作り変えました。高齢者一人暮らしだったという事もあり 平屋+αの様な間取りで2階には長期休暇の際に都会から帰省する子供用の洋室が一部屋あるだけでトイレもありませんでした、子育て世帯のファミリー層が住むには子供部屋の数や2階のトイレ空間などが不足しておりました。また断熱性能はUA値=0.9を超え次世代省エネルギー基準以下でした、コストを抑えながら性能向上させる為 既存の断熱材(ミラフォーム)をそのまま利用しつつ付加断熱(ネオマフォーム)を施しUA値=0.59(ZEH水準)へと改修。また気密性C値も測定不能でしたが、C値=0.7以下へと改修しました。耐震面に関しては、1階2階の壁直下率は60%以上あり、比較的バランスのとれた躯体を持ち、基礎形状は確認申請等の設計図書から確認したベタ基礎配筋表から設計されたベタ基礎(耐震等級Ⅰ)でした。この基礎はそのまま利用、木造軸組み部分の壁倍率を既存の1.25倍相当へ引き上げた事により、一部基礎増設・各金物類の見直し補強も行いました。伴う建物の重心・剛心の見直しX・Y軸双方偏心率=0.12以下の建物へ。コストを抑えて新築同等の性能を保持する建物へと甦りました。
LDK改修(1)
既存の平天井だったLDKを吹き抜け空間にする事でリビング階段へと改修しました。この建物のメインカラーとなる既存の梁を濃い目の色へ塗装する事を考慮し、同色に近い床材を選定。ウォールナット材を採用しました。全体的にシックな雰囲気に仕上げました。また床には床暖房を施工。
LDK改修(2)
リビング空間は和室と続く奥行きのある空間へ、ダイニング空間は鉛直方向へと抜ける吹き抜け空間へ改修する事で 間仕切り壁はないが、それぞれが独立空間に感じられる様な空間間仕切り仕様としました。また造作のTVボードは和室側へオーバーハングさせ、和室の無垢張りの天井はLDK側にオーバーハングさせる事により 空間の間仕切りをより曖昧にさせ一体感と間仕切り感の共存できる空間に仕上げました。
既存サンルーム ➝ 読書コーナー
既存のサンルームだった箇所は、気密性の悪さ、通気・気密区画の曖昧さからカビが蔓延し、LDK・2階の居室までその匂いが漂っておりました。そんなサンルームをリビングの一角とし回遊できる様な間取りに変更しました。そんなただの通路ですが、デッキテラスが望めたり、ダイニングの石張りの吹き抜けが望めたりと視覚的に優れた場所でしたので、そんな一角にベンチを配置し読書空間とし利用しました。この家の一番の絶景ポイントはココかもしれません。
石張りアトリウム空間
石張りの壁を間接照明で彩る吹き抜け空間 を ダイニング・読書コーナーから望めます。レストランに来たかのような気分で食事や読書を楽しんで欲しいです。床暖房が施工してある事により 数年後には結局 TVを見ながらリビングで床に座って食事をする事になり、ダイニングテーブルが荷物置き場になってしまう家って結構 建築後日談として聞きます。そうならない為にも 視覚的にメリハリのある空間にし、ついついここで食事したくなる演出を施しました。
玄関ホール (階段室 ➝ 玄関収納庫)
無断熱だった玄関ホールはネオマゼウス65mmの基礎断熱仕様へ作り変える事で 各居室と温度差のない空間へ。また既存の階段があった場所を、玄関クローク空間とし 収納能力も大幅に向上させ 来客者用・家族用とのダブルアクセス型の動線としました。また既存では窓がなった玄関ホールでしたが、改修で明るく広い空間となりました。
1階 主寝室
高齢者住宅だった利点はそのまま利用させて頂き1階にあった寝室はそのまま利用。子供が大きくなるまでは 平屋の様に過ごせます。一面の壁紙に暗めの色を採用し、そこへ照明光を当てる事で光を吸収させ反射させる計画としました。造作にコストのかかる間接照明をコストを抑える為の疑似間接照明計画です。寝る為の空間とする 明る過ぎずムードのある空間を演出しました。
外観
外壁材は すべて張替スタッコ吹付としました。飽きのこない和モダンの外観へ改修させて頂きました。空き家だった事もあり 生い茂った庭木樹木が 隣家、道路に越境しており 近隣住民の方々へご迷惑をおかけしている現状でしたが、すべて伐採し 駐車場とする事で 使い勝手の良い敷地計画となりました。駐車場は縦列2台駐車➝4台駐車まで可能な計画へと改修させて頂きました。
平面図 before after
高齢者一人暮らしだった間取りを、子育て世帯層の求める間取りへ改修させて頂きました。既存の平屋の様な間取りの良い所は残しつつ、また大幅な増築をする事なく 新築のコスト以下で快適に過ごせる建物へと計画させて頂きました。
断熱改修矩計図・計算書 before ➝ after
コストを抑えながら ゼロエネルギー住宅を実現する為に、既存の断熱材(ミラフォームMKS3種b50mm)はそのまま利用し、天井にはフェノールフォーム1種2号EⅡ30mm、壁・床にはフェノールフォーム1種2号CⅡ20mm、基礎断熱部分(玄関ホール・玄関クローク・浴室)にはフェノールフォーム1種2号EⅡ65mmを付加断熱しました。開口部は、樹脂窓 アルコンガス入りペアLOW-Eガラスを採用し UA値=0.59のZEH水準の断熱性を確保致しました。
気密処理施工 C値=0.7以下へ
既存の建物の気密性の悪さ、断熱区画・通気区画の曖昧な構造から、家全体がカビ臭かった空間を 換気経路・断熱区画・気密区画を明確に分離する計画にしました。気密処理施工方法 C値=測定不能 から C値=0.7以下へ改修いたしました。 建物の隙間が無くなる事により、冷暖房効率の向上と、計画的な換気計画が実現できます。
事業所情報
家づくりのプロが即座に解決。 上質な演出、確かなリフォームをお考えの方、豊富な施工実績をもとに、ご予算、ご要望に応じたご提案いたします。 共栄ホームズは再生住宅への30年の実績と最新の技術が評価され「先進的なリフォーム事業者」として経済産業大臣賞を受賞しました。