リフォーム会社を経営する上で欠かせない"弱者戦略"とは?

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※2022年5月17日更新

リフォーム業界は2021年に入り活況を呈しております。
矢野経済研究所の調査結果によると2021年第1四半期(1~3月)の住宅リフォーム市場規模は1兆5000億円を超え前年同期比で12.4%増と大きく伸びているようです。好調な市場には新規参入がつきもの。リフォーム業界の集客競争は激化する一方で、他社と差別化を図り戦略を作り込まないと立ち行かなくなってしまいます。

ベターライフリフォーム協会では加盟企業向けに寺子屋というリフォーム経営セミナーを行なっています。そこではリフォーム会社を経営する上で有効な戦略としてランチェスター戦略を掲げその取り入れ方をお話ししています。

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リフォーム会社を経営していくうえでぶつかる課題とは?

競合他社の多さ

コロナ禍によりますます活況になったリフォーム市場。石を投げればリフォーム会社に当たる......とは言いませんが、今や建設会社や工務店はもとより、家電量販店やホームセンターまでがリフォーム業界に参入し、まさにリフォーム会社は乱立状態です。そして、この数の多さこそが、リフォーム業界で生き残るための課題ともいえるのです。

リフォーム業界は、簡易な工事であれば特段の資格や免許を必要としないため、参入しやすい業界とも言えますが、会社としての信頼度や職人の質などにバラツキがあり玉石混交状態です。中には詐欺まがいの悪質な商売をしているリフォーム会社もあるので、自社の安全性を売りにするだけでも差別化できるほどです。何れにしても、地域に根ざして愚直に何十年と商売をしている街の工務店やリフォーム会社であれば、信頼度(つまり安全性)に関してはクリアしているので、それだけでもアドバンテージと言えるかもしれません。

問題は、大手の建設会社や家電量販店、そしてホームセンターなどが手がけているリフォーム事業でしょう。大手の建設会社のリフォームは高価格・高品質なため、こちらを選ぶ方は限られてしまいますが、家電量販店やホームセンターなどのリフォーム事業はメーカーとのタイアップにより、比較的安価にサービスを提供することができます。まさに家電を買うような感覚でリフォームをお願いする時代になってきたということですね。このようなところと価格でまともに勝負するのは厳しいので、街の工務店やリフォーム会社は他の部分で付加価値をつけ、売りにしていくことが重要になります。先ほど申し上げた信頼性はもちろんのこと、何かあった時の迅速な対応などのアフターフォローは必須でしょう。

人手不足

近年、リフォーム業界を含む建設業界全般では、職人の慢性的な人手不足の問題に直面しています。テクノロジーの発達により、あらゆる産業が高度化・複雑化する中で、実際に手を動かし、体を張って働く"職人"を目指す若年層が減っているという現状があります。若年層の流入が少ないということは、人手不足以外にも職人の高齢化を加速させることに繋がり、建設業における人材確保と育成は急務となっております。

しかし、一から家を建てる新築に比べて、リフォームの場合は、習得するのに5年10年とかかるような技術が必要な工事はあまり多くありません。もちろん、クロスの張り替え一つにしても技術を追求すればきりがありませんが、リフォームの場合は職人としてのハードルは高くないかと思います。リフォーム職人はいわゆる昔ながらの職人とは似て非なるものと周知させることで、若い人たちの流入が見込めるかもしれません。

リフォーム会社が勝ち抜くための成功のカギ

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市場の選択と集中

数多あるリフォーム会社の中から頭一つ抜け、競争を勝ち抜くためには、勝負する土俵をしっかりと見極めることです。適切な市場の選択を行い、そこに経営資源を集中投下することによって、安定した経営が継続します。

経営資源とは、「資金」「人員」「営業力」「商品力」を指しますが、これらには当然限りがあります。例えば、20名の会社が全国を対象に営業活動をしようとしても、数千人の会社には機動力で敵いません。機動力に劣るということはお客様満足度の低下に繋がるので、その土俵(つまり全国)で1位を取ることは難しくなります。しかし、対象エリアを会社が位置するOO町に絞ってみることで、20名でも十分な機動力を発揮することができますし、大手企業に負けないサービスを提供することができます。このように、自社が保有している経営資源に見合った市場を選ぶということが大事なのです。

会社経営の一番の課題は"お客様作り"である

これはリフォーム業界に限った話ではないですが、経営における一番の課題は"お客様作り"に他なりません。いかに自社のサービスをお客様に選んでいただくか。私たちはそのことに集中するべきであり、それ以外の業務はお客様作りの準備と後始末といっても過言ではないでしょう。お客様作りに集中するために必要なこと、それは"自分たちが幸せにしたいお客様は誰なのか"を明確にすることです。先ほどお話しした自分たちが戦う土俵を絞り込むことは、自分たちのお客様を明確にし、その人たちを幸せにすることに脇目を振らず取り組むことと言い換えることができます。

リフォーム会社にとって地域を絞り込むことは有効な戦略

経営優位に立つために、地域を絞り込むという方法は最も有効かと思われます。例えば、サービスを絞り込む(ex.バリアフリーリフォームに特化)方法やターゲットを絞り込む方法(ex.老人ホームのリフォームに特化)など、他にも有効かと思われる戦略はありますが、地域を絞るという戦略はサービス開発にかけられる資本が限られる中小リフォーム会社にとって攻めやすい手法といえるのではないでしょうか。

地域を絞り込む方法としては、まず最重点範囲(ex.会社から500m圏内)を定め、その次に重点範囲(ex.会社から1km圏内)を定めていきます。その際に、最重点範囲・重点範囲にはお客様がどれほどいるのか、また競合がどれほどいるのかを把握しておく必要があります。参考までに、「市区町村 丁目 世帯数」と検索すると住民基本台帳を基にしたデータを見ることができます。また、競合についてはGoogleMAPによる検索で全てとはいきませんが、ある程度競合を知ることができます。

自分たちが戦う土俵の規模を把握したら、いよいよその土俵でシェアNo.1を獲得するための取り組みを行っていきます。

弱者戦略ともいえる"ランチェスター戦略"

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私たちベターライフリフォーム協会は、リフォーム会社が勝ち抜くための戦略として「ランチェスター戦略」を推奨しています。「ランチェスター戦略」は、定番中の定番とも言える広く知られた経営戦略で、もともとは軍事戦略として考案されました。具体的には弱者が強者に勝つための方法を説いているもので、これをビジネス市場に置き換えると、「限られた市場内で中小企業が大企業に勝つための方法」となるわけです。

ランチェスター戦略の詳しい解説については割愛させていただきますが、ここではリフォーム会社がランチェスター戦略を選ぶことによって得られるメリットとしては以下の3つをご紹介します。

①経営資源の集中投下ができる

中小企業はどうしても経営資源において大企業に劣るので、商圏が広ければ広いほど競争の中で不利な状況の置かれてしまいます。そこで、自分たちのサービスを提供するエリアを極限まで絞って、その中でシェアNo.1を狙うのです。全国でチェーン展開できない代わりに、地域で一番利用される世界に一つしかない店になれば良いのです。そして、自社が保有している経営資源を全てそこに投入することによって、不動のNo.1をキープすることができるのです。

②お客様タイムを増やすことができる

リフォーム会社の顧客獲得において重要なことは、お客様からの信頼を高めることです。信頼を高めるにはお客様との接触頻度(お客様タイム)を増やすことが有効です。土俵を絞り込むことで、地域のお客様との距離感が近くなり、住まいの困りごとや相談などを受けやすい環境が生まれます。また、無駄な移動時間をなくなり、お客様タイムを増やすことができるため、信頼感の醸成に繋がり、その結果リピートや口コミが生まれやすくなります。

③サービスが磨きやすくなる

土俵を絞り込むことで、サービスを向上させることもできます。先述したOO町に対象エリアを限定するケースでいうと、例えば"台風で被害を受けても即日補修に伺います"というサービスを打ち出すことができます。これは、全国は言わずもがな首都圏だとしてもなかなか実現できることではありません。

OO町まで土俵を絞り込む必要があるの!?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、土俵を選ぶ目的はシェアNo.1を獲得することなので、自分たちが圧倒的に勝てるところまで市場を絞り込むのはランチェスター戦略における基本といえます。

市場シェアNo.1の獲得がもたらす効果

ランチェスター戦略による市場の選択と集中により、市場シェアNo.1を獲得したリフォーム会社には一体どのような効果があらわれてくるのでしょうか。

第一想起を獲得できる

第一想起とは、特定の製品やサービスにおいて、最初に頭に浮かぶブランドのことをいいます。例えば、ピアノといったらYAMAHA、ハンバーガーといったらマクドナルドなどが第一想起となるでしょう。これは何も大企業や超有名ブランドだけが得られるものではありません。ランチェスター戦略を推進することで、中小企業でも"OOOと言ったら〜"で思い浮かべられる存在になることは可能なのです。

第一想起を獲得すると、お客様が既に知ってくれている状態になるので、認知度を獲得するために無駄な広告費をかける必要がなくなります。一般的に見込み客の獲得は口コミやリピートの9倍のコストがかかると言われているので、コストの削減に繋がります。そして何より、知っているブランド・会社=安心に繋がるので、営業もしやすくなるでしょう。第一想起を獲得することは、二重にも三重にもメリットがあるのです。

利益が増える

市場シェアNo.1の会社は、2位以下と比べると粗利率が2~3倍に上がるという結果が出ています。第一想起の話でお伝えしたように、営業費や広告費などの経費も抑えやすくなるので純利益の増加に繋がります。絞り込んだ土俵でシェアNo.1を獲得することは、リフォーム会社に大きなプラスをもたらしてくれるのです。

ベターライフリフォーム協会では、上記のようなランチェスター戦略のセミナーを、会員様限定の寺子屋として毎月行っています。この記事をご覧いただいた方は特別にご招待いたしますので、興味ある方はぜひお問い合せください。

ベターライフリフォーム協会は御社の強みを高めるお手伝いをいたします!

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ベターライフリフォーム協会は中小リフォーム会社様の信頼性、提案力、技術力の向上
を図ることを目的としております。

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2、加盟することで自社のリフォーム業務品質を第三者が審査するシステムがありますので、お客様に自信をもって、「当社は安心です」と説明できます。

、加盟することでBLR瑕疵保険を取り扱うことができ、お客様が安心して依頼をできるようになります。

リフォームローンを取り扱うことができるため、お客様への提案の幅が広がります。

BLRセミナーでは、財務・集客・ブランディングなどあらゆる面から会社を成長させるための戦略をお伝えします。

当団体の概要や活動趣旨をご説明させていただきますのでお気軽にお問合せください。

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