工務店がブランディングを行うべき理由 ブランディングに不可欠な信頼を積み上げるには?
工務店として、今後さらなる収益確保や事業基盤を安定させたいというとき、どのようなブランディングをすれば、お客様からの信頼を損なわず、得られるのでしょうか。
今回は、ブランディングとはどのようなものか、工務店がブランディングを行う理由、メリットとデメリット、工務店のブランディングの進め方、客観的な信頼獲得についてご紹介します。
そもそもブランディングとはどういうものか
ブランディングとは独自性を高め差別化し認知を高めること
ブランディングとは、ターゲットに対して、企業の組織や商品、サービスの価値やイメージを高く認知してもらうために行う戦略です。
ブランディングを行う目的は、お客様に肯定的な記憶を再生させ、他社との差別化を行うことにあります。機能やサービスでは違いを出しにくいですが、ブランディングをすることで、他社製品や他社サービスと異なるイメージ(独自性)が連想されやすくなります。
そして、ブランディングをすることで、お客様に企業や製品、サービスの価値の特定のイメージや記憶を根付かせることができます。
ブランディングは信頼性を溜めること
ブランディングとはお客様からの信頼を得ることにほかなりません。
ブランディングを行うことで、特定の商品を選ぶ場面で選択候補に挙げてもらいやすくなります。そして、ホームページやパンフレットの事例数が増えれば、それだけでも競合との差別化につながり、ユーザーから信頼を得ることができるのです。
お客様からの口コミやインタビューも併せて掲載できれば、ユーザーからは実績があるとみなされて、安心感を与えられるようになります。
工務店がブランディングを行う理由
競合が多いため
工務店がブランディングを行う必要性の一つとして、競合が多いことがあげられます。今後の住宅市場は、少子高齢化や単身世帯の増加の影響で、将来的に縮小が見込まれる業界とも言えます。
その一方で、工務店は、全国から地方密着型などの大小さまざまな規模の工務店から類似した資材や設備を扱うものまで数が多く、競合相手との差別化が難しいのが現状です。
価格競争に巻き込まれないためにも、自社にしかない価値の創造(ブランディング)が必要になります。
ニーズが多様だから
リフォームやリノベーションなど、建物に関するニーズは人それぞれさまざまに存在します。
そのため、工務店一つ一つにも、ニーズに合ったコンセプトが必要になります。コンセプトとは、自社の強み(独自性)と競合他社の強みとの差、自社の家づくりに対する理念などです。
このコンセプトが明確になっていないと、多種多様なお客様のニーズに見合った提案と施工で、建設業界の中で差別化を図ることができません。
そして、コンセプトからサービス内容まで一貫性を持たせることで、お客様からのニーズに応えられる形で提案から施工までを行えます。
工務店がブランディングを行うメリット・デメリット
工務店がブランディングを行うメリット
価格競争を回避できる
ブランド商品は、価格やスペックだけでなく、ブランドが持っている信頼性までお客様の価値判断基準になります。
住宅のような一生ものとも言える商品の場合は、施工する工務店との信頼関係が極めて重要になります。そのため、信頼と実績を積み重ねてきたブランド工務店の住宅は多少高くても購入されるため、価格競争を回避でき、収益を確保した工務店運営が可能となります。
マーケティング力が強化できる
ブランドがあると、マーケティングや販促効果を高めるメリットがあります。
チラシやテレビCMを積極的に流したとしても、信頼感の得られない工務店には、お客様は問い合わせないでしょう。
しかし、ブランドを設定していると認知されやすく、お問い合わせをしてもらいやすくなります。
そのため、お客様から問い合わせをしてもらうために、工務店にとってブランド力は重要な要素の一つとなりえます。
自社のモチベーションが上がる
ブランディングの効果は、お客様に向けてだけでなく、従業員にも良い影響を与えます。ブランド力の向上によって、社員の帰属意識を芽生えさせて、ブランドを守るために自律的に行動することを促し、モチベーションを向上させることにつなげられます。
ブランド力を持った工務店の方が、良い人材を採用しやすい傾向があります。
工務店がブランディングを行うデメリット
ブランド価値を上げるには時間がかかる
ブランド力は一朝一夕で構築できるものではありません。日々、商品力や接客力を高めて、コツコツと認知度を向上させることによって、ブランドは向上できます。
販売を促進させるにも即効性はないので、効果が出にくい時期もあきらめずに地道に取り組む必要性があります。
積み上げた信頼は不祥事などで簡単に失ってしまう
ブランドを構築するまでには長い時間が必要になりますが、その信頼が崩壊するのは一瞬です。昨今の情報化社会では、企業が一度でも対応を誤ると炎上する事例が多く、一度炎上すると、長期間、ブランドに悪いイメージを与えてしまいます。
そのため、ブランドのある工務店こそ、不祥事への真摯な対応や信頼される商売をすることが求められます。
工務店のブランディングの進め方
自社の強みを見つける
自分たちが取り扱う商品やサービスのお客様をグループ化し、そのペルソナを作成しましょう。ペルソナとは、商品やサービスの典型的なユーザー像のことです。具体的に、年齢や性別、居住地や職業などの情報を設定します。
そして、自社の強みを明確化させるためにも、競合他社の強みや状況と比較しながら、自社が有意なポジションに立つための見込み顧客がどのような流れで実際に購入へと至るのかという仮説を作成しましょう。
ターゲットを見つける
PEST分析や3C分析を通して、自社が狙うべき市場機会を見つけましょう。そして、市場を細分化して、3C分析で仮説を立てて、事業展開の中で収益性を見込める市場を見つけ、多角的な視点でセグメントしましょう。
そして、見込み客(ターゲット)の選定をして、最もマッチする見込み顧客グループを選定します。
コンセプトやイメージを固める
自社のターゲットは具体的にどのような人物になるのか、いわゆるペルソナについて作成し、コンセプトやイメージを固める必要があります。
コンセプトからロゴやキャッチコピーの派生だけでなく、例えば、実際の建材や施工方法などについてもコンセプトからサービス内容に一貫性を持たせる必要があります。
「無添加住宅を売りにするなら、化学物質が入った断熱材や防腐剤を使用していしまっている」や「地域密着型の工務店なのに、営業所の無い他府県へ積極的に仕事を受注している」というようなコンセプトに反した営業は避けるようにしましょう。
信頼を蓄積
ブランドイメージのためのロゴやキャッチコピーだけを作っても、意味がありません。
ブランディングによる商品やサービスの積極的な販促活動により、信頼を蓄積することで、顧客から支持されるブランドへ成長させられます。
工務店のブランディング、信頼を客観的に見せるためにはどうすればいいのか
自社への信頼を溜める方法
工務店は、自社のホームページ経由の集客だけでなく、SEO対策やリスティング広告でアクセス数を獲得していく必要があります。
また、新聞チラシであれば、定期的な工務店広告への安心感は大きいですし、SNSにも掲載することで積極的なオンライン見学会などの開催や募集などで集客することも可能です。
さらに、Youtubeで具体的な施工状況などを流すことで、自社のコンセプトを理解してもらいやすくなります。
まずは客観的な評価が重要
自社の信頼を得る方法は、施工時の接客や顧客からの口コミを積み上げることです。
これによって、ホームページやパンフレットの事例数が多くなれば、競合との差別化になり、ユーザーの客観的な信頼を得ることができます。
さらに、顧客の口コミやインタビューまで併せて掲載できると、施工・デザイン品質を担保してくれる有力な根拠となります。
また、第三者による評価を得られるとそれもまた客観的に信頼できるものになります。
たとえば、一般社団法人ベターライフリフォーム協会では、第三者の視点からリフォーム事業者を審査・登録する制度として「リフォーム業務品質審査登録制度」を設けており、当協会に入会するには、この制度に適合する工務店・リフォーム会社である必要があります。
つまり、ベターライフリフォーム協会に加盟しているということが、「一定の品質が保証された優良な業者である」という客観的な評価につながるのです。
まとめ ベターライフリフォーム協会への加盟でブランディングの確立を
今回は、ブランディングの定義から、工務店がブランチングを行うべき理由やメリット、デメリット、ブランディングの進め方、信頼を客観的に見せるための方法について解説しました。
一般社団法人ベターライフリフォーム協会では、客観的に品質を評価できることでお客様への信頼感に繋がる点、国に認められた団体であるという信頼感をお客様に与えられるという点で、工務店の皆様のブランディング構築へ繋げることができます。
当協会では、品質を可視化するためのツールとして「安心チェックリスト」をミミより会報1月号に1冊同封して会員へ発送しました。追加で入用の際は、BLR会員限定で有償販売を開始しましたので、ぜひお気軽にご活用ください。
→https://www.blr.or.jp/unei/tool_support_checksheet
工務店の皆様のブランディング施策でどんな事に手を打てばよいかわからない方は、お気軽にご相談ください。
一般社団法人ベターライフリフォーム協会
お電話でのお問合せ:03-5211-0564
お問い合わせフォームはこちら
フォローしませんか?