残してくれた夫との思い出をもとに、今度は私たちのためのバリアフリー。
家族のこれからの暮らしを見据えた、”オンリーワンのバリアフリーリフォーム”できました。
「私がこの先車いすを使うことになったら」ーーーーー
奥様が思う、これからの暮らし。
この度、「ボイラーの故障」をきっかけに、思い描いていたリフォームプランが動き出しました。
実はご主人が生前、車いすを使われていたこともあり、もともとバリアフリー仕様の住まいでしたが、お風呂の段差、ユーティリティースペース、洗面化粧台が使いにくいものでした。
長年寄り添ってきたご主人との暮らしがあったからこそ、これからのことを具体的に見据えた理想のリフォームをカタチにすることができました。
例えば、
「車いすに座ったままでもざぶざぶ気にせず洗える!オーダーメイドの大きな洗面台」
「一歩目からサポート。安心してくつろげる極上バスルーム」
この先の家族一人一人のライフスタイルに合う、いつも住み心地の良い空間へ。
限られたユーティリティースペースを有効活用できるよう、工夫をちりばめました。
欲しかった!バリアフリーだけじゃない、万能な洗面台。
車いす向けの洗面化粧台はメーカーにより様々取り扱いありますが、あくまでも洗面台です。
欲しかったのは、”もっと、多目的に使える洗面台”
つけ置き、洗い物。バケツを置いてもゆとりのある大きなサイズです。
スクエア型なので、内側で転がりにくく、安定しているのが使いやすいポイント。
ざぶざぶ気にせず洗えます。
サイズに合わせてつくったカウンターは、完全オーダー品です。
車いすに座っていても手元まで引き出せるシャワー水栓で、流し台のお手入れが楽に。
水栓の首は左右に動かせるので、
平型のアイロン台を置けば、ちょっとした作業スペースにもなります。
施工後は奥様のお洒落なインテリアが映える空間になりました!
これが究極の「ほっ」。くつろぎのバスルームへ。
浴室の手すりはメーカーの仕様に合わせると、各所での取り付けになります。
ただ手すりを設置するだけでは解決されない、
次へ手をかける手すりまでの距離が生む「浴室内での移動が大変・・・」という
”思いの壁へのバリアフリー”へ目を向けました。
アドバイザーならではのご提案で、浴室一歩目から浴槽まで続く手すりを設置したことがポイントです。
一歩目から湯舟に浸かるまで途切れず続く安心。手を伸ばしたときにいつでも掴める安心、心からくつろげる空間ができました。
目に見えないからこそ。温度のバリアフリー化
お風呂での危険といえば、冬場のヒートショック・年齢を重ねると多くみられる入浴中の熱中症の危険性も見落しがちです。
ご家族よりご要望いただいていた三乾王の設置。衣類乾燥機能に魅力を感じていらっしゃいましたが、
「目に見えない温度のバリアフリー化」に繋がったことも、今回のリフォームのポイントのひとつです。
ヒートショック対策と、入浴中のほてりを和らげてくれる涼風機能付きで、年中心地よく、家族の身体にやさしいバスタイムを過ごすことができるようになりました!
心のゆとりも生まれて、ストレスフリーに。
浴槽の蛇口に手を伸ばしてひねる、それまで”当たり前だったお湯はりの負担”を無くします。
オートタイプの給湯器へ取替たことで、浴室へ足を踏み入れなくても、室内側のボタンひとつでお湯がたまる・自動で止まるように。
「お風呂のお湯たまったかな・・・・」と気にする時間もストレスフリーになりました。
また、熱くなった水栓でのやけどの心配・立ち上がった時に水栓にぶつかる心配もなくなります。
更に、家族一人一人のお好みの入浴スタイルでくつろぐことができるようになったこともポイント。
椅子に座る様にも浸かる事ができるので、心臓にかかる負担も抑えられる半身浴でのゆったりバスタイムも楽しむことができます。
家族の暮らし方に合わせて生まれた、空間創り
限られたスペースを、車いすでの通行を考えながらご家族の暮らしの動線を考えて配置したことがポイント。
ボイラーは壁掛けに。凍結を防ぐために壁に厚みをつくり、配管を収めたことで、むき出しで埃がかぶりやすかった配管・ボイラー廻りの空間がコンパクトになりました。
リフォームに合わせて施主様にて新調された洗濯機、隣にはオーダーメイドの洗面台、つけ置きしていた洗濯ものをすぐ洗濯機に移すこともできるように配置を考えました。
また、もともと背面に設置していた掃除・洗濯用流し(スロップシンク)は必要がなくなったので撤去。収納スペースが生まれた点も、今回のリフォームのご提案ポイントです。
また、ランドリースペースでは、のれんのように頭をかすめがちな洗濯物、丈が長い洗濯物は浴室へ三乾王を設置したことで、効率よく乾かすことができます。
家族のカタチに合わせたもうひとつの洗面台
奥様専用の洗面台の隣にもう一台、ご家族にとって使い勝手の良いタイプの洗面化粧台。
小物を整理整頓されていた施主様にとって、背面収納できる三面鏡・片引き出しタイプの収納に変わったことで、よりスッキリ、清潔感のある洗面化粧台へ。
家族みんなが使いやすい一台の洗面化粧台も良いですが、家族それぞれの使い勝手に合わせて洗面化粧台を設置するのも、暮らし方にフィットするリフォームのひとつの選択肢です。
特に配慮した事項
バリアフリーをテーマに、実際に使うことを想定すること、「リフォームならではの、もっとできること」をプラスして施主様のご要望に合わせながら、これから安心して暮らせる空間になるようご提案しました。
お風呂リフォームは、ユニットバス組み立て前の下準備の際の施工方法によって、どんなに良いグレードの断熱仕様のお風呂を設置しても、断熱効果を感じられない場合もあります。
目に見えないお風呂のウラ側は、気密性・断熱性、寒冷地仕様に沿った適切な施工方法で行います。