住宅リフォームで使える補助金制度「こどもみらい住宅支援事業」とは?
国土交通省が令和3年に組んだ補正予算に、2022年度に本格実施となる「こどもみらい住宅支援事業」というものがありました。具体的には、どのような世帯が対象で、どのような工事に適応されるのでしょうか?
今回はこの「こどもみらい住宅支援事業」について、一体どのようなものなのかをご紹介します。全世帯が対象となるものもありますので、リフォームを考えている方はぜひご覧ください!
こどもみらい住宅支援事業とは
この制度は、子育て支援と2050年カーボンニュートラルの実現のためにつくられたものです。子育て世帯や若者夫婦世帯を主な対象としており、より高い省エネ性能を有する新築住宅の建設や、住宅の省エネのためのリフォームに際して、補助が行われます。
では、子育て世帯、若者夫婦世帯とは具体的にどのような家庭が当てはまるのでしょうか?
まず子育て世帯とは18歳未満のお子様、具体的には平成15年4月2日以降に出生されたお子様がいる世帯です。そして、若者夫婦世帯とは、夫婦いずれかお一人が39歳以下、具体的には昭和56年4月2日以降に出生された方がいる世帯になります。
今回の記事では主にリフォーム工事に際する補助金申請の条件について詳しくご説明しますが、このリフォームに関する補助は子育て世帯や若者夫婦世帯でなくとも対象となります。つまり、規定に沿った省エネやエコに関するリフォームを行う場合は誰でも申請可能なのです。 ただし注意点として、今回の新事業は申請する前に事前業者登録が必要です。
利用するための条件とは?
まず、リフォーム業者が「こどもみらい住宅事業者であることが前提となります。そして、新築の補助制度を利用したい場合、子育て・若者夫婦世帯のどちらかに当てはまっていなければいけませんが、リフォーム工事の場合はどのような世帯でも申請できます。リフォームに関する補助の条件は「省エネ改修を行うこと」です。ただし、子育て・若者夫婦世帯に当てはまるなどの一定の基準を満たすことができれば補助金額が引き上げられます。
金額や期限は決まっている?
リフォームに関して、条件に当てはまらない世帯では一戸当たり上限額30万円です。子育て世帯や若者夫婦世帯に当てはまる場合は上限が引き上げられ一戸当たり45万円になります。さらに、既存住宅を購入する場合、または購入してリフォームする場合のどちらかを伴うときは一戸当たり60万円になります。また、安心R住宅の購入を伴う場合は、一戸当たり上限45万円です。
そして、気をつけなければいけないのが、期限が決まっているという点です。リフォーム工事・既存住宅の購入の売買契約・着工は令和3年11月26日~令和4年10月31日までとなります。特に、着工に関しては事業登録の手続き終了後に着工しないと対象になりません。また、事業者登録・予約申請に関しては、遅くとも、令和4年9月30日まで、交付申請は遅くとも令和4年10月31日までに行う必要があります。
どんなリフォーム工事が対象になるのか
まず、申請の対象は令和3年11月26日以降に100万円(税込)以上の契約額で売買契約を締結し、かつその売買契約締結から3か月以内にリフォーム請負契約を締結した場合に限ります。
そして、そのうち対象となる工事は主に8種類あります。
必須条件として、
①開口部の断熱改修
②外壁、屋根、天井または床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
の3つのうち最低でもどれか1つを行わなければなりません。高い省エネ機能を有する一定のリフォームが対象です。
まず、この3つの工事の具体的な内容と支給額について解説します。
①開口部の断熱改修
窓の大きさの変更工事、ガラスの交換などがこれに当てはまります。枚数や箇所の面積に合わせて支給されます。
②外壁、屋根、天井または床の断熱改修
具体的には、
・外壁 :一戸/102,000円(部分補修の場合一戸/51,000円)
・屋根、天井:一戸/36,000円(部分補修の場合一戸/18,000円)
・床 :一戸/61,000円(部分補修の場合一戸/30,000円)
の補助金が支給されます。
ただし、共同住宅など複数の居住者がいる住宅の屋根の天井部分を改修する場合は3戸分が支給されます。そして、断熱工事に関しては一戸当たりの最低使用量が決まっていることに注意が必要です。
※外壁・屋根・天井・床の断熱改修補助額の計算例
グリーンポイントと同じ考えになりますが、外壁外回りC、こちらは一般的な性能のものに区分され2.0M2です。また、仕切壁に関してはBとされているのでこちらも先ほどのCと同じで一般的な性能のものに区分され1.5M2です。この二つを計算すると、半分の3万円が支給されるという形になります。
③エコ住宅施設の設置
太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯機、節湯水栓などがその対象です。節水型トイレと節湯視線に関しては1台当たり、その他は一戸当たりの計算になります。ただし、太陽熱利用システムは太陽光発電システムとは異なるものであるという点は注意してください。
そして、上記の3つのうち、どれかを満たしていれば以下の④~⑧の工事でも給付の申請ができます。具体的な支給金額についても一緒にお伝えしますね。
④子育て対応改修
家事負担の軽減、防犯面の向上、生活騒音への配慮、キッチンセットの交換に伴う対面化改修が対象です。家事負担の軽減に関しては下記のものが申請できます。
・ビルトイン食器洗機:19,000円/一戸
・掃除しやすいレンジフード:10,000円/一戸
・ビルトイン自動調理対応コンロ:13,000円/一戸
・浴室乾燥機:20,000円/一戸
・住戸専用の宅配ボックス10,000円/一戸
(宅配ボックスに関しては戸建てに1個設置で10,000円の支給です。共同住宅でも、自宅専用に設置する場合は戸建てと同じ扱いになります。もし、共同住宅に住む個人がそれぞれの他の部屋の方と共同で設置する場合は、一部屋当たり1万円の支給です。ただし、最大1つの建物当たり20個までになります。)
次に、防犯性の向上に対する開口部の改修についてです。外窓交換・ドア交換の区分が大中小に分かれていて、それぞれの面積辺りの金額が支給されます。断熱性の高いものに交換する場合も補助額が支給されますが、断熱・防犯面に優れている、または断熱・遮音性に優れているものを2つ設置する場合、どちらか値段が高い方のみ申請が可能です。
また、キッチンセットの交換を伴う対面化改修の場合は一戸/86,000円まで支給可能です。条件として、改修前、改修後共に「シンク(給排水設備と接続されているもの)・調理台・コンロ・調理用換気設備」を有する必要があります。
注意点として、掃除しやすいレンジフード・ビルトイン自動調理対応コンロとして別途補助を受けることはできません。また、改修前に対面キッチンであった場合やキッチンセットの「移設」による対面化改修は補助対象外です。①~③への正対に立ち、いずれか2箇所からリビング又はダイニングの過半を見渡すことが出来ることが条件となります。ただし、過半に関しては多少立ち位置をずらしながら見えるということであれば可能だそうです。
⑤バリアフリー改修
・手すりの設置:5,000円
・段差解消:6,000円
・廊下幅等の拡張:28,000円
・ホームエレベーターの新設:150,000円
・衝撃緩和畳の設置:17,000円
これらは一戸あたりに設定されています。こちらは一か所でも二か所でも支給金額は同じですので、ご注意ください。
⑥空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
それぞれの能力に合わせて金額が設定されています。
⑦耐震改修の補助額
一戸当たり150,000円です。旧耐震基準により建築された住宅を現行の耐震基準(新耐震基準)に適合される改修工事を行った場合に支給されます。
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入補助額
こちらは、一契約辺り7,000円です。
BLR協会の会員では、「株式会社住宅あんしん保証・住宅保証機構株式会社・株式会社日本住宅保証検査機構・株式会社ハウスジーメン・ハウスプラス住宅保証株式会社」のいずれか1つ以上に登録していただくことが入会の条件となっております。
ちなみに、BLR協会の一般会員の方なら、会員専用サービスの「BLR瑕疵保険」も利用可能です。こちらの保険は補償額が100万円までとなっていますよ。
そして、これら8つを合わせた合計補助額が5万円以上にならないと申請できません。また、補助金は現金で支払われます。
お気軽にお問い合わせください
制度には様々な複雑な条件があり、とても難しいですよね。申請に関しては事業者登録も必要となります。
「ベターリフォーム協会」には、「お客様が安心できるサービスを提供したい」という気持ちを持ったリフォーム会社が加盟しています。事業者選びをする際はぜひご活用ください。