工務店の平均利益率は?利益率を上げるポイントを解説!
業界全体の傾向として定価が存在しないため、工務店によって工事の値段設定が大きく異なりますが、この時に気になるのが利益率ではないでしょうか。
自社は妥当な利益率で営業できているのか、また仮に業界平均を下回っていた場合は何に気を付けるべきかも含めて知っておくことで業務改善にも繋がります。
この記事では工務店の平均利益率、そして利益率を上げるためのポイントを解説します。
工務店の平均的な利益率とは?
利益は、売上から原価や経費などの費用を引いた額を指しています。
売上に対し粗利額が占めている割合を利益率と呼びますが、これは経営状況を把握するために必ず確認すべき数値になります。注意すべきなのは、売上額が多いからと言って必ずしも利益も多いとは限らないということです。顧客から支払われた額と、該当案件を遂行するために会社が負担した費用との収支バランスを意識することが重要なのです。
平均利益率と比較するために、まずは自社の利益率を算出してみましょう。
利益率は下記の計算式で求められます。
・利益率(%)=利益額÷売上高×100(%)
一般的に、新築物件の案件では平均利益率は25%前後となります。逆に、20%を割ってしまうと損益分岐点と重なることが多く、赤字経営のリスクが高まります。
また、リフォームを手掛ける案件の平均利益率は30%前後となります。新築と比較して材料などにかける原価が抑えられるため利益率は高くなりやすいです。
平均利益率と比較し、もし自社の利益率が低い場合は利益率を高めるための取り組みに着手することをおすすめします。
工務店は業務そのものの効率化を進めることで利益率を高める、といった改善が難しい業種になります。かといって、利益率は低いまま、案件数を多く確保する薄利多売の方針で経営を続けることは最善策とは言えません。
つまり、一つ一つの案件で利益率を高く確保しつつ、顧客側も納得して依頼したい!と思えるような取り組みが必要になります。
工務店が利益率を高めるには?
そもそも、工務店が利益率を高めるために取れる手段は主に4つになります。
売上を増やす
当然ですが、売上が増えればそれだけ利益も拡大すると考えられます。
売上を増やすためには単価を上げるか販売数を増やすかのいずれかが必要となります。
しかし、先ほど軽く触れた通り、利益率が低いまま契約数を増やそうとすると、結局案件に対応する人員を確保しなければならなくなり、別途人件費が発生することで利益率を高めることがますます困難になる恐れがあります。
しばしば契約数を増やすために値下げを行うケースもありますが、こちらも短期的に売上が伸びるだけであり、長期的にみると経営負担が増大するためおすすめできません。
健全に利益率を高めるのであれば、単価を上げる方向で調整することが必要になります。
売上原価を減らす
原価や経費など営業活動上発生する費用を抑えることで、売上額に変動がなくても相対的に粗利額と利益率を高めることができます。
施工で使用する資材や設備などを少しでも安く卸せるよう仕入れルートでの交渉を行ったり、今よりも安く仕入れができる業者に乗り換えたりすることで売上原価を削減することが可能です。
ただし、安い資材や業者を利用することによって提供するサービスの質が下がってしまうことは顧客側にとっては不満を生む要因にもなり、LTV(ライフタイムバリュー:顧客から生涯を通して得られる利益)が下がる恐れもあります。品質の水準を変えることなく安く置き換えられる部分や無駄を見つけていくことがポイントです。
固定費を減らす
その他、会社を営業している中で必ず固定でかかってくる費用で削減できるものはないか、見直すことも効果的です。
自社完結で調整しやすい費用の一例として人件費や光熱費、備品にかかる費用などが該当します。
この項目は即効性のある施策ではありませんが、徐々に積もっていく小さな無駄を排除することができるため、年単位で見れば確実に費用を抑えることができます。
付加価値を増やす
工務店の利益率改善において最も重要なのは付加価値を増やすことです。
すでにお伝えした通り、売上を増やすためには単価アップが必要です。
しかし、単価を上げればそれだけ顧客の契約に対するハードルも高くなります。
つまり、そのハードルを乗り越えてでも契約したい!と思わせられるような価値を新たに提供することが工務店に求められるのです。
単価に見合った価値を提供できているかどうかを常に意識し、顧客満足度を高めるための施策を積極的に検討してみましょう。
利益率を高める!付加価値の増やし方とは?
付加価値の増やし方についてもう少し詳しく見ていきましょう。
付加価値を増やすアプローチは大きく分けて2つにわけられます。
最終的にはどちらのアプローチからも実践できることに越したことはありませんが、まずはどちらか片方からでも着手してみることが大事です。
+aの提案を行う
リフォームを依頼する顧客の要望通りに施工するのではなく、+αの視点から新たな提案を行うことで「そんな方法もあるんだ!」「そっちの方がより自分の希望を実現できそう」といった具合に、自分の要望をくみ取ったうえでより良い施工を提案してくれた!という印象を与えることができ、満足度の底上げに寄与します。
下記はBLR協会に加入している株式会社マエダハウジング安佐南店が手掛けたリフォーム写真です。
こちらの案件ではシンプルな空間ではなく自分たちの好きなものにこだわりたい、山小屋カフェのような雰囲気を重視したいという要望が顧客から寄せられていました。
この時、顧客の「リビングダイニングを広くしたい」という要望1つをとっても、洋室と和室を取り込んで単純に広げるだけにとどまらず、天井の梁は丸太をイメージするために木調クロスを使い分けて遊び心あるデザインを提案しています。
さらに、様々な照明を取り入れることで、「広々とした部屋で山小屋の雰囲気を楽しむ」という+aの付加価値の創出に成功しています。
クロスの使い分けや照明機器の使い方はなかなか顧客が自発的に要望を出すことが難しい領域になるでしょう。漠然と思い浮かべているイメージを実現するための提案は非常に喜ばれます。
品質を向上させる
そもそも、品質が低いと施工でトラブルを引き起こし、顧客の定着率が悪くなる恐れもあるため品質を無視することはできません。
工務店の施工に限らず、あらゆる商品やサービスの費用が高いときは「質が高い」と顧客が納得できた場合に実際の購入や契約に繋がる傾向にあります。
そのため、施工で使用する設備機器や材質にこだわり、サービス自体の品質を向上させることで、単価が高めであっても契約を獲得できます。
サービス品質向上を追求していることもブランディング戦略の一環として顧客向けに発信できると競合他社との差別化にもつながるためより効果的です。
リフォーム単価を上げて利益率を改善するならBLR協会の加入がおすすめ
以上、工務店の平均利益率と利益率を上げるための方法を解説しました。
利益率を上げる重要性も、利益率を上げるためにすべきことも理屈では分かっているけれど実際に取り組もうとするとどうすればいいか分からない......そんな工務店も多いかと思います。
そんな時はBLR協会の加入を検討してみてはいかがでしょうか。
BLR協会に加入している業者は加入時と3年に1度の周期で「リフォーム業務品質審査登録制度」に基づき、17項目から構成されるリフォーム業務品質水準の審査を必須で受け、審査結果を公表することになっています。
業者の信頼性や技術力を担保することで、顧客も安心して依頼できるような仕組みとなっているため、リフォームの単価を上げることが可能です。
実際に、BLR協会の会員業者の平均利益率は32.6%と業界でも高い水準を誇っています。
その他、協会会員が参加できるBLRセミナーではリフォーム業務の品質向上や技術にまつわる研修を開催しており、知識向上だけにとどまらず提案力向上のバックアップも行っております。
利益率や品質担保にお悩みであればぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
一般社団法人ベターライフリフォーム協会
お電話でのお問合せ:03-5211-0564
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