水回りリフォームは依頼する業者によってどんな違いがあるのか?

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水回りリフォームは、消費者からするとサービスの違いを見出しづらいものです。どうしても価格ばかりに目が行きがちで、依頼後にトラブルが発生するケースもあります。

今回は、「水回りリフォーム業者をどのように選定すればいいのか」というテーマでTOTOリモデルサービス株式会社の代表取締役である西川様と、担当の吉田グループリーダー様に話を伺いました。

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TOTOリモデルサービス㈱ 代表取締役 西川 智久

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TOTOリモデルサービス様HP

水回りリフォームの業者による技術・提案内容はどんな違いがありますか。

水周りリフォーム会社を大きく分けると、3つに分けることができます。

1.水回りの器具交換に特化している会社

まずは、「器具交換をベースにしている会社」になります。水回り商品販売に特化することで低価格での交換を実現しています。

住宅設備の商品を入れ替える技術は安定していますが、「トイレで手洗いを増やしたい」や、「ドアを変えたい」などのリフォーム工事は請け負っていない場合もありますので事前に確認が必要です。

2.リフォームメニューをパッケージ化している会社

次に、「水回り器具や内装材の種類を絞り、低価格なパッケージプランを提供しているリフォーム会社」です。

パッケージプランでまとまっていて、価格も抑えられているので、お得にリフォームを行うことができます。空間を自由にリフォームするサービスではないので、デザイン性の高いリフォームやオリジナルなリフォームを行いたい場合はパッケージプランで対応できない場合もあるので確認が必要です。

3.設計から対応するリフォーム会社

先ほどの、「リフォームメニューをパッケージ化している会社」を建売住宅とすると、こちらは注文住宅のようなイメージで自由度の高い内装リフォームを行うことができます。

初めにお伝えした、水回りの器具交換に特化している会社と比べると、単体の交換工事では値段が上がる傾向にあります。

技術力にはどのような違いがあるか?

単純に技術力の良し悪しというよりも、それぞれ求めるリフォーム内容によって必要な技術が変わってくるイメージです。

先ほどお伝えした各リフォーム会社も、それぞれ得意不得意は分かれています。

例えば

「トイレ交換工事をたくさん請け負っている」ところであれば、配管設備までの詳しい知識や技術が必要ないのでトイレ交換以外の熟練したスキルが必要な工事は断るケースがあります。あるいは配管まで関わる工事の場合はオプションとなり、金額が高くなる場合があります。なぜなら、外注に依頼するため費用が上がるからです。

ただ「器具交換をしたい」だけなのか、「空間リフォームまで行いたい」のかによって依頼を検討している会社が3分類のどれに当てはまるのか見極める必要があると感じます。

当社が目指すところは、お客様のご要望に臨機応変に答えられるリフォーム工事です。器具交換のみも、もちろん行いますが、安さで勝負しようとは思っていません。お客様とは一回きりではなく長く付き合っていただける会社を目指していきたいですね。

お客様のご要望を満たす自由度の高い水回りリフォームが強みです。

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お客様と長く付き合っていくために取り組んでいることは?

工事中に「いかに安心してリフォーム期間を過ごしていただけるか」が大事になります。ですので、社員の振る舞いや職人さんの現場対応には気を配っています。

またヒアリング技術が高い会社であることも大事だと感じます。当社では担当者はコーチング研修を受けてヒアリング技術の向上を図っています。

なぜヒアリングが必要かというと、今困っていることだけでなく、お客様の今後のライフスタイルの変化、価値観の中で「どういう方向に進んでいきたいのか?」などを踏まえて「先々どう行った変化が考えられるのか?」という点まで考慮に入れてプランを考えることが重要だからです。

これまでもお客様のご要望を丁寧にお聞きしてきましたが、それだけでは足りないと感じました。お客様が気づいていない本音や価値観を引き出すことで、長期的に満足できるサービスが提供でき、またお客様にも「ずっとお願いしたい」と思っていただけるからです。

水回りはお客様も知識がないことが多く、どうしても「低価格」に陥りやすいため、そういう方に対しても詳しくヒアリングすることで、こだわりたいところに気づくことができると感じますね。

よくある水回りリフォームトラブル(工事中のトラブル/工事後のトラブル)について教えてください。

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ここからは、よくあるトラブルについてお話を伺います。

工事中のトラブル

工事を開始したら(業者側が)思っていた状況と違ったということは多いです。ユニットバスを設置しようとして解体をしたら、床に障害物があって段差が残ってしまったり、水漏れが発覚して追加工事が必要になったりなどの例があります。

事前調査力の違いもありますが、「もし水漏れがあった場合は追加でこういう工事が必要になる」などリスクを事前に説明しておくことでトラブルは回避できます。このような点を踏まえると、契約前に想定されるリスクをきちんと説明してくれる会社に依頼すべきですね。

水回りリフォームに限ったトラブルではありませんが近隣トラブルはよくあります。今あるものを解体することから始まって解体物を搬出することもあるので、近隣への配慮は必要です。

首都圏はマンションが多いのでトラブルになりやすく、マンション・戸建てに関わらずあらかじめ近隣の方々には、お知らせしておくことが大事です。

工事後のトラブル

一番多いのは、「完工後に思っていたイメージと違う」というケースです。事前のイメージの共有ができていないことが要因です。

水回りの器具交換についても機能がどのように変わるのか伝えておらず、元の機能がなくなってクレームになったり、清掃性が低く不満が出たりすることなどがあります。

空間でいうと「デザインの不一致」や、「仕上がりがイメージと違う」などの他にも、デザインを重視したあまりに使い勝手が悪くなってしまったということもあります。

「清掃性が悪くなった」なども、事前に丁寧に説明をすることで回避されます。「今とどう変わるのか」、「不便になるところはないのか」などきちんと説明しておくべきですね。

工事前、工事後で共通していえること

情報の提供不足(それくらいは知っているだろうという先入観を担当者・職人が持ってしまう)によって起こるトラブルがほとんどです。「丁寧すぎる」に越したことはないので依頼前の説明の詳細さは注目した方がいいです。

水回りリフォームの価格相場

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相場という訳ではないですが、TOTOが出しているリフォーム工事目安価格があります。

費用幅はシリーズの違いによって価格が変わりますし、同シリーズでもキッチンであれば扉の価格、コンロの価格など選択するグレードによって費用が変わってきます。

相場費用一例、部位別

キッチン 上限180万前後、下限80万前後

浴室   上限230万前後、下限55万前後

洗面   上限70万前後、下限20万前後

トイレ  上限60万前後、下限20万前後

また、TOTOのリフォーム工事にかかる費用(商品+工事費費込み)についてはこちらをご参照ください。

リフォーム業者の見極め方

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依頼前に、リフォーム業者の良し悪しを見極めるためのポイントについても教えていただきました。

1.提案力

齟齬のない情報を提供してくれるか、気づいていない部分をヒアリングで引き出した上で提案してくれるのかは重要です。技術力を事前に見極めるのは難しいため、提案の幅の広さ、いかに汲み取ってくれるかから判断することをオススメします。

2.アフターメンテナンス

工事後の対応を明記しているかどうかは事前に確認しておきましょう。

3.瑕疵保険

工事後にトラブルが発生した際、瑕疵保険に入っていることで仮に業者が倒産しているというようなことがあっても保険で対応してもらえる場合があります。瑕疵保険を用意している業者はお客様の先々まで考えていると言えるでしょう。

4.法令遵守

都内でいうと準防火地域が多く建築物の耐火への対応が必要となります。地域的にこの商品は選べないという地域もありますし、人の生死にも関わる重要な点です

水回りでいうとマンション配管に手を入れる場合、専有部分に入って1mは不燃の構造にしないといけません。リフォームは新築と違って検査が入る訳ではないのでグレーゾーンになりがちです。

自分や家族の身を守るためにも法令遵守の意識のある業者を選ぶべきですね。

5.見積もり

おおまかな概算ではなく、細かな明細を出している会社が良いです。信頼できる会社とのお付き合いがあればいいですが、そうでなければ見積もりを複数社取り寄せることをオススメします。

また見積もりだけじゃなくHPを見にいくことも大事で、「何を得意としている」のかなど、対応が安心できそうか見ておきましょう。

その他、チェックしておいた方がいいところ

安心・信頼できる会社に関わるのは産廃の処理基準の見直しです。水回りリフォームだと関係ないと思われがちですが、同様に厳しくなっています。

消費者様の費用負担は上がっていくのは間違いないので、そこを業者として説明していく必要があります。

理解を得ていくのは業界全体で必要な取り組みだと感じています。

一般財団法人ベターライフリフォーム協会では、お客様が安心して依頼できるリフォーム会社が加盟しております。

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一般社団法人ベターライフリフォーム協会では、皆様が水回りリフォーム工事を安心して依頼できるような取り組みを行っております。

リフォーム業務品質審査登録制度

様々な業務の進め方、お客様への対応の内容について、一般財団法人ベターリビングが定める「リフォーム業務品質基準」をもとに客観的に評価することにより、安心して依頼できるリフォーム会社なのか審査を行っております。

下記から最寄りのリフォーム会社を検索することができます。

皆様、サービスの向上・お客様満足の最大化に取り組むとても良い会社様ばかりです。

是非一度ご覧ください。

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