次のライフステージへ

同居されていたご両親が逝去され、1階が空いてしまったH様。
ご自身の年齢や今後の身体の変化、わんちゃんとの生活等を考慮し、空いた１階部分を自分たちの生活スペースにした方がいいのではないかという考えが浮かんできたそうです。

しかし、なかなか行動に移せなかった原因として、今後この家に住み続けるのか？自分たちの後この家はどうするのか？ここに住み続けるとしても、どのような住まい方をしていきたいのか？今回一緒にやっておいた方がいい工事は何か？間取りや省エネ性能、耐震性能、設備機器の更新などを予算内でできるのか？できない場合は何を優先した方がいいのか？等、わからないこと、ご不安なことが山積みで、何から考えればいいのかわからなかったそうです。

そこで、ご夫婦と同居中のわんちゃんとの生活を詳細にヒアリングし、ご夫婦が生活の中で大切にしていること、心地よく感じる時間や光景をお話しいただきました。ご夫婦ともに共通した思いとして、お互いに趣味に没頭できる時間が大切なこと、この家に2人で住み続けること、互いに１人の時間を優先したいが、年齢を重ねていく中で１人でいるときに倒れる、体調を崩すかもしれないという不安もあることなことがわかってきました。

そこで、個室を完全に分離せずにお互いの気配を感じられるよう出入り口等に配慮した間取をご提案。また、終の住み家にすることも決定されたため、ご不安だった耐震や断熱、バリアフリーの性能を上げることを基本事項にしました。性能を向上させることで、就寝時に地震が発生しても人もワンちゃんも慌てずに避難できる、室温の差が小さくなり、ヒートショックの心配が減る、段差が無くなって、人もわんちゃんも安全に通行できて、長期的にも短期的にも安全・安心にお暮しいただけるようにご提案しました。

工事後1階でのお暮しに慣れてきたころにお話を伺うと、「お互いに過干渉せずに自分の時間も大切に過ごすようになって、夫婦で顔を合わせる食事のときの会話が増えました。また同じ1階に犬もいるため、犬と一緒に過ごす時間も自然と増えたように思います。今では自室にいるときも入ってきて、膝の上で一緒に私の趣味を楽しんでいますよ(笑)」と毎日が楽しいと笑顔でお話いただきました。